地域医療支援病院が地域医療連携で担う役割とは

◆地域医療連携とは

地域医療支援病院は、所在地周辺のその他の医療機関と連携を取りながら、その地域の医療を取りまとめる役割を担っています。
このように、地域に存在する医療機関がお互いに連携しあって役割分担を行いながら、患者に適した医療を提供する体制のことを「地域医療連携」といいます。

どういうことかというと、例えば、かかりつけ医のような小さなクリニックや診療所などで診察した結果、患者の状態がその病院では対応できない類の病気だった場合、大きな病院へ転院してもらうことになります。そして、より精密な検査や有効な処置が行える病院で治療を受け、状態が安定したら再びかかりつけ医のもとに患者を戻し対応する、というような仕組みのことです。

こうした連携がきちんと取れている場合、スムーズに引き渡しが済むので患者の心理的負担や医療現場の負担が軽減されるというメリットがあります。しかし、反対にその連携がうまく行っていないと、情報共有にタイムラグが生じてしまい、双方に混乱を招いてしまうことも少なくありません。

こうした事態を防止するために存在するのが、地域医療支援病院です。

地域医療支援病院は、こうした地域医療の連携がきちんと取れるような体制づくりを担う役割が課せられています。地域に存在する医療機関との情報共有はもちろんのこと、そこで働く医療従事者の教育も担っているのです。

今後、高齢化社会が進んでいく日本にとって、医療機関の連携に関する重要性は高まっていくでしょう。